短所以外のなにものでもない短所

週末、飯能書道連盟展に行ってきました。
ずらりと並ぶ、見事な書に圧倒されっぱなしでした。
素晴らしかったです。
なぜ、この私が書道展なぞに出向いているのか。
私を知るみなさんは、さぞかし不思議かと思います。
そう。
私は字が汚い。
自他ともに認める、字の汚さ。
これは、長年自覚しつつ
どうにも向き合えない事実でした。
もう、字は生まれ変わらないと綺麗ににならないとか
頭の回転が早すぎて、手が追い付かないからだとか
長年、言い訳してきました。
そして、時代もあって、手書きを必要とされる場面は
幸か不幸かほとんどなく
あまり字が汚いことで困らないで来てしまったのです。
ある有名な作家さんが講演会で、なぜ作家になったかという質問に
「幼い頃から、私は字が汚くて、よく親には叱られ、兄弟や友達にからかわれてきたんです。
それで、字がきれいになりたいと思ったかといえば、まったくそれはなくて
私の書いたものは、全部活字にしてやろうと思った。それが原点です。」
と言われていたのを
言い方まで克明に覚えています。
全く、同感だったのです。
字が汚くても困らないし、誰にも迷惑をかけない。
それよりも、頭の中を書きだす言葉や内容の方が重要であると。
でも。
このトシになって、私が字が汚いことで
人に迷惑をかける事態が発生しました。
「ねぇ、ママ。
ママはいつもさーーーって書くから、字が汚いんだよ!
しっかりていねいに書くときれいに書けるんだよ。
社長さんがさぁ、字が下手だとみんなが恥ずかしいでしょ?
連絡帳にきれいな字で書けるようになりたいでしょ?
だから、一緒にお習字やるといいよ!」
・・・・・・・・・。
娘に叱咤激励されまして
なんと、今さらながら、娘の書道教室に私も入門することになったのです。
早速、受付でとてもじゃないけど名前が書けず
前途多難の気配。
まだ、第1回目のお稽古には行ってないんですけど
その前に、先生の作品を見にお邪魔して
(実はよくわかっていないのに)
感動と大絶賛をめいっぱい表現してきた次第です。
今年も残り1ヶ月ちょっとになっての
新たな挑戦?
「字は一生の宝」
多分本当です。
「長所は短所などというけれど、字が汚いのは短所以外のなにものでもない」
きっと事実です。
そんなこと、わかってるんです。
あたたかく見守っていただけますと幸いです。