「明日の五郎丸」

お店に置いてある地元新聞。
超ローカルネタで独自路線をひた走っている地元紙です。
今日の1面に・・・
小さく出ている
「明日の五郎丸」
という記事。
これにお客さんたちが大騒ぎ
ちょっと!大変!
明日、五郎丸が来るって!
え?駿河台大学?
いつ?何時?
行くわよ!行かなきゃ!!
キャーキャーわーわー大騒ぎで
家族や知人友人にも知らせなくては!という勢いで
携帯を探す人から
小躍りに近い人まで
キャーキャーわーわー大騒ぎ
いえ。。。
「これは、明日の五郎丸を目指そう!というラグビー体験会の告知記事であって
未就学児から大人まで誰でも参加できるイベントで
先生は、駿河台大学の監督で
五郎丸は、全く関係ありません。そういうイベントの名前です。」
・・・と。
言い出しにくいほどの盛り上がり
五郎丸は来ませんよ。
・・・と、言った私が悪者みたいじゃないですか
まぁ、うちのお客さんたちは、元来、陽気で楽しい人たちばかりですので
も~~~ぉ!やぁぁぁ~~~~だ!
ま~~~~ぁったく!ミーハーなんだから!
と、大笑いで終わりましたけどね
つくづく、しみじみ
人は、自分の都合のよいように物事を解釈し
自分の思い込みを真実と信じて生きている生き物なんだと
痛感した朝の一コマ。
そして、この時
「いや、誰だってそう思いますよ!
だって、駿河台大学は昔からお金があって、すごい人も呼ぶってイメージですもん。
それに、文化新聞は
どんなに世間一般で大ニュースであっても、例えばほんとに五郎丸が来るとかであっても
それよりも大きく1面トップに、どこそこの会社の社長がゴルフ好きが高じて
会社にゴルフボールのオブジェ建てた、みたいな記事が出ますからね。
誰それさん家で面白い形のキュウリとナスが採れたとか、どっかの会社が2万円寄付したとか、
どこそこ杯のゴルフで誰が優勝したとか、そんなニュースが大きく出て
五郎丸が小さいなんてことが、普通にありますから、これはそう思いますよ!!
それにこの見出し!「明日の五郎丸」って紛らわしいですよ。
普通は「五郎丸を目指せ」とか、パッと見て体験会ってわかるように書きますよね!」
・・・などなどなど。
必死にフォローする自分自身に
しみじみ人は、自分のひいきや義理人情で
味方につく側を徹底的に擁護し、敵や対立する相手を攻撃する本能があるのだと
中立だとか公正公平なんて綺麗ごとじゃないのかなどと
人間の悲しき性についてまで
なんだか考えてしまった朝の一コマです。
以上です。